青山新|米澤柊「声なき声のキャラクター」(後編)
概要
本記事は、青山新による米澤柊個展「声なき声のキャラクター」(後編)の展評である。米澤はキャラクターの「声」に注目し、アニマとキャラクターの間を自由に往還する現象として捉える。西欧的な魂・呼吸・声の直線的関係を批判しつつ、布施琳太郎の指摘を引き、口が身体から遊離する可能性を論じる。また、口を「閉じ損なったもの」と定義し、白川静の漢字説を参照しながら、口が声を召喚するのではなく、世界に満ちた声が口を通して受信されると主張する。目についても、まばたきを目に許された呼吸と捉え、完全な視界の不可能性を問う。展覧会は「明るい部屋」ならぬ「水妖の部屋(カメラ・オブ・スキュラ)」として、水と光の中でアニマが溶け合う現象として描かれる。
(出典:artscape)