「パァーッと光が出て、キラキラッていろんなものが見えてくる。」(草間彌生美術館)開幕レポート。草間彌生の創作を「光」から読み解く
概要
東京・新宿の草間彌生美術館で、展覧会「パァーッと光が出て、キラキラッていろんなものが見えてくる。」が開幕した。会期は2027年1月31日まで。本展は、今年8月に逝去した草間彌生の創作活動を「光」という視点から捉え直すものだ。1950年代のドローイングから、代表作「無限の網」シリーズ、帰国後のコラージュや版画、晩年の大型絵画、鏡を用いたインスタレーションまで、多様な作品を通じて、草間が追求してきた光の表現とその変遷を紹介する。草間は幼少期から幻覚や幻聴を経験し、そこで目にしたイメージを絵に描き留めることを創作の原点としてきた。内面から生まれる光は、やがて絵画の表面に広がり、色彩や素材の輝き、さらには空間そのものを構成する要素へと発展していく。10月7日の内覧会で、同館学芸員の山野井千晶は、本展について、草間の創作と深い関係を持ちながらも、これまで十分に注目されてこなかった「光」を切り口に、その作品世界を見つめ直す試みだと説明した。1階ギャラリーでは、金銀のメタリックカラーを用いた大型絵画《星たちの消滅(金)》《星たちの消滅(銀)》(いずれも2010)とうねるような形態を持つ立体作品《命》(2023)が展示され、素材による光の反射の違いが浮かび上がる。2階ギャラリーでは、草間の創作の原点にある「内なる光」に焦点が当てられ、自伝で語られた幼少期の幻覚体験や、1958年の《Infinity Nets(2)》などの作品が紹介される。さらに、1973年の帰国後のコラージュや版画、小型立体作品も展示され、ラメやエナメル塗料、パールを含む絵具など、素材の光沢を活かした表現の広がりが示されている。
(出典:美術手帖)