服部浩之|「森は美術館」から、「共有地としての森」へ
概要
青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)館長の服部浩之による論考。同館は八甲田山系の麓の森に2001年に開館し、アーティスト・イン・レジデンスを主事業としてきた。近年は冷房が必要になるほどの猛暑や集中豪雪、熊の市街地出没など、環境と動植物の行動の急激な変化が生じている。設立時の理念には「自然と人の共存」があり、初代館長・浜田剛爾は「森は美術館」という森を主体とする思想を示した。服部は、植物も動き続け、すべての存在が影響を与え合う森の現実を踏まえ、「共存」とは何か、共有地とは何かを問い直す。2026年度から2カ年のプログラム「ランド&ラーニング:たとえ共存が難しかったとしても、この森は共有地になりうるだろうか」を展開し、李奧森(ヴァル・リー)の「Voy!」や野外彫刻をめぐる「残る、なくなる」を実施。朽ちゆく野外彫刻をめぐる議論や、森の力に逆らえない現実を紹介しながら、森を主体とし、多種の共有地としてのアートセンターを育てていきたいと述べている。
(出典:artscape)