松房子|パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭|キャロリー・シュニーマン『ブレインキング・ザ・フレーム』
概要
本記事は、渋谷・ユーロスペースで開催された「パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭」で上映された、キャロリー・シュニーマンのドキュメンタリー『ブレイキング・ザ・フレーム』(2012)に関するレビューである。シュニーマンは《Up To and Including Her Limits》や《Meat Joy》、《Interior Scroll》など、生身の体を素材としたパフォーマンスで知られるが、本作は彼女の活動が絵画や映像、彫刻など多岐にわたる作品群の一部であり、女性蔑視への応答として生まれたことを示す。2005年頃から約6年間の撮影をもとに、幼少期から現在までの彼女の語りを軸に、パートナーや猫、日記、書簡、終の棲家となった家など、創造と生活・思考・時代背景が切り離せない様子を描く。元パートナーのジェームズ・テニーやスタン・ブラッケージとの共同生活や確執、アナ・メンディエタとの交流、展覧会「WACK! Art and the Feminist Revolution」での様子も収められている。監督マリエル・ニトスラウスカは前作『Bad Girl』でもシュニーマンを先駆的作家として紹介しており、本作では個展の設営に勤しむシュニーマンの姿を捉えたラストシーンが印象的である。シュニーマンは2017年にヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞生涯功労賞を受賞し、2019年に死去。2022年にはロンドンのバービカン・センターで「ボディ・ポリティクス」展が開催され、MoMAや財団によるアーカイブ公開も進んでいる。
(出典:artscape)