中野京子が読む「闇の西洋美術」 3章 「夜の鳥フクロウ」
概要
本記事は、中野京子による「闇の西洋美術」連載の第3章で、夜の鳥フクロウを取り上げている。フクロウは日常生活で目にする機会が少ないが、その特徴的な人間的な顔と360度近く回転する首、無音で飛ぶ姿などから、古代より賢明で瞑想的な鳥として知恵の女神ミネルヴァ(アテナ)の象徴とされる一方、民間信仰では「墓場の鳥」「死の鳥」として不気味な存在とされてきた。著者は自身が植物園で生きたフクロウに驚かされた体験を交えつつ、フクロウが夜行性となった生存戦略や、ヘーゲルの「ミネルヴァのフクロウ」の比喩についても触れる。さらに、フランス・ハルスの絵画『マッレ・バッベ』ではフクロウが「酩酊」の象徴として描かれ、ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』には三羽のフクロウが登場し、知恵や闇の象徴として機能していることを指摘。絵画におけるフクロウの多義的な意味を、美術史と文化的背景から読み解いている。
(出典:美術展ナビ)