アートウィーク東京は、この街に何をもたらしたのか? 5年目の変化と、国際化の先にある課題
概要
アートウィーク東京(AWT)が11月4日から8日まで開催され、過去最多の56の美術館・ギャラリーが参加した。5回目となる今年の最大の変化は、独自企画「AWT FOCUS」の形式刷新だ。2023年に「買える展覧会」として始まった同プログラムは、これまで一人のキュレーターが一会場で展覧会を構成してきたが、今年はウィーンのギャラリーフェスティバル「curated by」との協働により、国内外の10組のキュレーターが都内10ヶ所のギャラリーやアートスペースでそれぞれ展覧会を企画する分散型へと転換した。AWTディレクターの蜷川敦子は、日本のアートシーンにある豊かな活動を「点」から「線」でつなぎ、インフラを整えることがAWTの役割だと語る。最初の3年間はAWT FOCUSで一つのビジョンを示す必要があったが、保坂健二朗、片岡真実、アダム・シムチクによる3回の展覧会を経て、参加者に主体性を渡す段階に進んだという。新形式では、シン・ジェミン企画の青柳菜摘展(MISA SHIN GALLERY)、マリア・ブレヴィンスカ企画の鴨治晃次展(Take Ninagawa)、ジェレミー・ストリック企画のメアリー・ウェザーフォード展(思文閣銀座)、エコウ・エシュン企画のジュリアンノックス展(space Un)など、キュレーターの視点とギャラリーの特色を生かした多様な展覧会が展開される。space Unの中谷尚生は、AWT FOCUSを通じた海外キュレーターとの協働が、ギャラリーの活動を国際的文脈に位置づけ、商業的場を超えた長期的関係を可視化する機会になると評価している。
(出典:美術手帖)