映像の次に何を残すのか。Cinematic Broadcastと「空間資産」が変える撮影と美術 Vol.14 [IBC 2026] - PRONEWS : 動画制作のあらゆる情報が集まるトータルガイド
概要
本記事はIBC 2026の展示を横断して、「空間資産」という新概念を取り上げている。これは物理的な美術セットやロケーション、スタジオを、カメラ位置・レンズ情報・権利データと共に3Dデータとして保存し、後日再び撮影可能な形で保持するという考え方である。SonyのXYN Spatial Captureは現実空間を高品質な3DCGアセットに変換してバーチャルプロダクションの背景として活用できる。Mo-SysのStarTrackerやSonyのOCELLUSといったカメラトラッキングシステムは、実カメラの位置・姿勢とデジタル空間を同期させることで、保存された空間を再び撮影できる状態を維持する。Zero DensityはReality 5、Unreal Engine、Chaos Vantage、NVIDIA Gaussian Splattingを用いて環境スキャンのワークフローを実演した。OpenTrackIOはSMPTEのRIS OSVPグループが開発するオープンストリーミングプロトコルで、異なるシステム間の相互運用性を高めることを目指している。IBC AcceleratorのVooPlaプロジェクトは、予算やスケジュールが確定する前に意思決定を支援するため、放送スタジオのプロダクション精度のデジタルツインを作成する。ROE VisualやAOTOのLEDディスプレイは、デジタル化された空間を実際の光と背景としてカメラ前に再構築する装置となる。記事は、現在の映像アーカイブのようにサイズや設備等の条件でロケーションを検索できる未来の「空間アカイブ」の可能性を展望している。美術の仕事は「作って、撮って、壊す」から「保存し、更新し、再利用する」へと拡張され、空間のバージョン管理や権利管理の課題も指摘されている。最終的に、映像制作で残されるものは完成した映像自体から、その映像を生んだ空間へと拡張されていることを結論づけている。
(出典:pronews.com)