【対談】アン・ヴェロニカ・ヤンセン×川畑秀明:光と空間、私たちの認知を開く。アーティストと科学者の対話から
概要
ベルギー・ブリュッセルを拠点とするアーティスト、アン・ヴェロニカ・ヤンセンは、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで日本初の個展「東京、銀座5丁目4-1」を開催している(2027年1月11日まで)。ヤンセンは1970年代後半から合板やガラスなどの簡素な素材を用い、1990年頃からは光や音、人工煙霧などを取り入れた実験的な作品を制作してきた。彫刻、インスタレーション、ヴィデオ、写真、舞台美術と多岐にわたるが、一貫して世界に対する身体的な知覚と、認識の不明瞭な領域を探求している。また、アーティストと科学者が協働する「ブレイン・スペース・ラボラトリー」を共同設立するなど学際的な取り組みでも知られる。今回、感性科学や認知神経科学を専門とする川畑秀明(慶應義塾大学教授)が会場を訪れ、ヤンセンと対談。アートと科学、脳と知覚、空間のとらえ方をめぐり、アーティストと研究者それぞれの立場から語り合った。ヤンセンは、会場の構造や光、空気、時間性といった場所全体の実体験から、手に取れないメディウムの作品を選んだと説明。川畑は、偶然性やセレンディピティ、そして師である神経科学者セミール・ゼキの「優れたアーティストは優れた神経科学者である」という言葉を引き、アーティストの予見性に触れた。ヤンセンは、作品を通じて鑑賞者の認知そのものを活性化したいと語っている。
(出典:Tokyo Art Beat)