所蔵作品の舞台裏をひらく。ポンピドゥー・センターの新拠点「フランシリアン・ファブリック・ド・ラール」とは?
概要
フランス国立近代美術館のコレクションは1818年に始まり、1977年にポンピドゥー・センターに移ってから写真、映像、建築、デザインなど幅広い分野に拡大し、現在約15万点を所蔵している。これらの作品はパリ周辺の8ヶ所に分散して保管され、管理や保存・修復のスタッフも分かれていた。新施設「フランシリアン・ファブリック・ド・ラール」(ポンピドゥー・フランシリアン)は、作品の保管から調査、修復、梱包、輸送、展示準備までを一体的に進める拠点として設立される。設計はPCA-STREAMが手がけ、作品を守る閉鎖性と地域への開放性を併せ持つ建築となっている。外壁は地層を思わせるベージュ色のコンクリートで、二重構造により温度変化を抑える。公開エリアには木製の3層回廊とジグザグ階段があり、展示室と展望スペースをつなぐ。建物は約9メートル立方のグリッドを基本とし、柔軟性を確保。収蔵庫や保存・修復工房は延べ床面積の約6割を占め、扉は用途別に色分けされている。この施設は、コレクションとそれを支える専門職の知識や技術を1ヶ所に集め、美術館の仕事のあり方を変えることを目指している。
(出典:美術手帖)