「ユアサエボシと戦後アヴァンギャルドの変身寓話集」(練馬区立美術館)レポート。「フェイク」と「リアル」の前衛絵画でひもとく「変身」の多義性
概要
東京・中村橋の練馬区立美術館で企画展「ユアサエボシと戦後アヴァンギャルドの変身寓話集」が12月27日まで開催されている。担当は同館学芸員の木下紗耶子。本展は「変身」をキーワードに、現代美術家ユアサエボシの新作を含む絵画群と、戦後前衛美術を追求した池田龍雄、高山良策、中村宏の代表作など約100点を展示する。ユアサは1983年千葉県生まれ。「大正生まれの架空の三流画家・ユアサヱボシ」という設定で制作し、自身を「擬態派」と呼ぶ。木下は、ユアサの作品が異質なモチーフの緊張感ある構成で絵画として面白いこと、またヱボシが池田や高山、中村と設定上同時代の画家であることを挙げ、両者を接続することで戦後日本の前衛美術における「変身」モチーフの広がりと多様性を探り、過去への想像力を喚起したいと語る。また、2023年に直木賞を受賞した小川哲も参加し、架空の故詩人になりきって「ヱボシ」に影響を与えた詩を書き会場で発表。ヱボシの生涯の物語に新たなエピソードが加わった。
(出典:Tokyo Art Beat)