原ちけい|『To Build Law』
概要
本記事は、ドイツ人建築家アルノ・ブランドルーバーらが参画する建築設計コレクティブbplus.xyz(b+)の活動と、その政治的アクティビズムとしてのプロジェクト「HouseEurope!」を紹介する。b+は、既存建築の境界を解き、残された空間や文脈を再解釈する改修・転用を軸に活動している。「HouseEurope!」は、建築・建設業界の環境負荷の大きさと不動産の金融化を批判し、欧州市民イニシアチブ(ECI)を活用して、既存建築の改修を促進するための法制度の整備を目指す。チューリッヒ工科大学のstation.plusとの共同プロジェクトとして制作されたドキュメンタリー映画『To Build Law』は、この運動の舞台裏を描き、建築のデザインプロセスとして法を「建てる」(整備する)過程を可視化する。記事では、バーゼルの改修事例や、ヨーゼフ・ボイスの社会彫刻との関連性にも触れながら、建築家の役割が空間の設計から社会条件の構築へと拡張していることを論じる。
(出典:artscape)