山川陸|西尾善太『人間の都市 マニラを鼓動させるジープニーとおっちゃん』
概要
本書『人間の都市 マニラを鼓動させるジープニーとおっちゃん』は、西尾善太氏による著書で、フィリピンの首都マニラにおける主要な公共交通機関であるジープニーと、その背後で働く「おっちゃん」たちに焦点を当てています。著者は、植民地支配や戦争、戦後復興という歴史的文脈の中で発展してきたジープニーが、単なる乗り物ではなく、多様な個々の人間の営みが交錯する「都市の鼓動」そのものであることを論じます。権力や資本主義による都市論が陥りがちな「絶望の都市」論ではなく、現場に身を置きながら形成された視点から、オペレーター、ドライバー、整備士といった「おっちゃん」たちが駆使する複雑な関係性や、近代化事业への抗議ストライキなど、具体的な行為の中に見える交渉や連帯を通じて、支配的な人間像に抗う「真の近代」や都市性を提示しています。
(出典:artscape)