アン・ヴェロニカ・ヤンセン「東京、銀座5丁目4-1」展(銀座メゾンエルメス ル・フォーラム)開幕レポート。光と知覚へのインビテーション
概要
ベルギーを拠点に活動するアン・ヴェロニカ・ヤンセンの日本初個展「東京、銀座5丁目4-1」が、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで開幕した。会場の住所そのものを展覧会名とし、「インビテーション」というコンセプトが込められている。ヤンセンは、彫刻やインスタレーション、映像、写真、ダンスの舞台美術など多岐にわたる活動で、物質的な形ではなく「知覚」そのものを扱い続けてきた。反射する光、色、透明性、霧、音などを介し、鑑賞者が空間や時間をどのように認識しているのかを問い直す。本展では、光や空気、時間といった目に見えない要素を変化させ、会場空間の内部に異なる輪郭をつくり出す。8階の展示室には、ガラスや金属を用いた作品が並ぶ。《Magic Mirrors (Pink and Green)》では、亀裂を生じたガラス板の表面に光が入り込み、見方によって異なる色や輝きが現れる。《Water Glass Roll (110)》は、不均質な透明度を持つ鋳造ガラスの環状彫刻で、周囲の景色が作品を介して見える。壁面作品では、光の干渉によって色が立ち現れる「構造色」が用いられている。また、鋼製の梁を磨いた《IPE 250》は、鏡面に周囲の景色が映り込み、鑑賞者の移動とともに変化していく。鑑賞者が空間を移動することで生じる知覚の変化そのものが、展示を構成する要素となっている。
(出典:美術手帖)